わたしは仕事柄「色」にとても興味があって、
色んなデザインは色でイメージが作られていくといっても
過言ではないと思っています。
ないがしろにされていたのではとも思うのです。
そこで、今回モダンカラーズ社長の宗森京子さんに
そのへんについてお聞きいたしました。
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金城 はじめに、宗森さんが「色」を天職とされた
いきさつを教えていただけますか。
宗森 実はわたしはインテリアコーディネーターとして
スタートしたのですが、これが楽しくなかったんですね。
金城 楽しくないといいますと?
宗森 私は仕事は楽しくなくちゃ続かないと思うんです。
その当時インテリアコーディネーターの仕事は、
すでに出来上がった住まいの家具やカーテンなど、
あとからの付け合わせみたいな仕事ばかりだったんです。
だからこれは住まいのことを知らなければ
提案できないし仕事が広がらないと思ったんです。
それで建築の勉強を始めました。でも、これも楽しくなかったんです。
そうして勉強していく中で「色彩」に行き着いたのです。
もともとファッションの世界、
アパレル関係に勤めていた関係があって、
その時にその会社がファブリックに事業拡大しようとしていた時に、
私は退職したといういきさつがあって、
衣服から住まいまで実はトータルに提案できないかなと思ったんです。
それが20年前ですかね。
金城 面白い流れですね。
衣服から住まいまでつながっているという考え方は。
宗森 生活を楽しむための演出をするのが「色」だと思うんです。
今の住まいの色はおしきせで、
住んでいる人が「色」のことをわからない、知らない、
流行に踊ってしまって自分がないんですね。
それはだれも教えてくれないというのが問題なんですけど。
そういうところはイタリアなど欧州に比べて遅れているところでしょう。
金城 ひとつ例を挙げてくださいますか。
例えば、建築雑誌やテレビでも取り上げる機会の多い
「白」を基調としたデザーナーズハウスはどうでしょう。
宗森 真っ白な空間は他者の介入を許さない、
ストイックになってくるのです。
指紋がついても汚れたと思います。
小さな子供がいたら汚れるのはよくあることですが、
それさえ許さないからこどもがビクビクしてきます。
汚さないように子供が神経質になり、
のびのび育てることからは程遠くなります。
またこういった白い住まいは、
妥協をすると堰を切ったかのように汚くなる傾向があります。
金城 そこまで住んでいる家族のことがわかるのですか!
「色」を知るということはとても重要ですね。
宗森 例えば無垢の木材を使用した住まいは、
暖かみがありますし、ナチュラル、
フレンドリーなイメージがあります。
そういう住環境を望まれる方にはいいでしょうが、
モダンな環境を望まれるかたには違和感があるでしょうね。
まず、自分のイメージを見つけることが大切なのです。
自分のイメージは何なのか、ダイナミックなのか、
シンプルなのか、キーワードを見つけるのです。
そうするといろんなイメージが湧いてきてその中から自分が見えてきます。
自分がどんな空間にいるのが楽しいのか落ち着くのか考えてみるのです。
金城 宗森さんの言葉の中に「楽しむ」というのがよく出てきますね。
宗森 わたしは、「楽しい」ことがキホンです。
よく夢をつかむためにいろんなものを我慢する人がいますが、
それはとてもナンセンスです。
今を楽しみながら夢をつかんでいくことはできるはずです。
要は自分の気持ちの問題ですね。
いろんな人とお会いして、
どうも「いさぎよさ」が足りない気がします。
中途半端な夢は、少しのことでなりたいイメージをぐらつかせます。
十人十色という言葉があります。
人はそれぞれ自分の色というものがあって
それを理解するということがお互いを理解しあうということなんです。
金城 前号で風水から見た「ひきこもり」を作らない
間取りというのを小中先生にお聞きしました。
色でもそういうことがあるのでしょうか。
宗森 自分のイメージを見つけられている子供、
または子供が悩んでいるのに気付いて
見守ってあげることができる親子関係であれば、
ひきこもりになんかなりません。
子供の視線になってみることができない
大人の方に問題があることが多いのです。
子供の本質を見てあげるのが家庭で、
その家庭の基本が住まいです。
その大切な家が建て売り住宅や、
自分の家族のイメージができていない、
建築家や工務店任せの押し着せの家では
良い環境ができるとは思えないのです。
たまたまぴったり来た家なら良いのですが・・・。
金城 具体的に「良い住まい、良い住環境」の色とはどんな色なんでしょうか。
読者にすぐに役立つ情報として、教えていただけますか。
宗森 険しい色は駄目です。
暖かくなる色・明度があるのがいいですね。
例えばオフホワイト。オフホワイトでも暖色系がいいです。
それと大きく影響があるのが照明です。
近頃は蛍光灯などの昼白色が多いのですが、昼光色がお薦めです。
少し黄色みがあるほうがいいですね。
特にダイニングには暖色(黄・オレンジなど)の照明や花など、
食卓が明るく華やかになります。
ブルーは緊張する色ですから避けた方がいいでしょう。
金城 なるほど。
では新築やリフォームなどされる時は、
まず自分や家族のイメージカラーを先に見つけておく
というのが重要だということですね。
色を知るということはそういうことなのでしょうか。
宗森 自分は何色が好きか、
実はすでに無意識に選んでいるんですよ。
例えば、何かを選ぶ時、自分の好きな色を選択しませんか。
私はセミナーなどの講師をさせていただく中で
「カラーヒストリー」を作ってもらうのですが、
20分あまりの時間で作っても、
一日中考えて作っても同じ結果がでます。
「自分の色はコレ!」というものがわかれば悩むことはありません。
色を知るということは己を知るということです。
「神はディテールに宿る」という言葉があります。
イメージを実現していくのは小物です。
まず色でこだわってみるところからはじめるとよろしいでしょう。
金城 今日はどうもありがとうございました。
取材後記:とても分かりやすい言葉で、
美しくて若々しい宗森先生の取材は、
とても楽しいものでした。
モダンカラーズという社名は
宗森先生の好きな1920年代の
モダンな時代のイメージからもってきたものです。
それにふさわしく、モダンカラーズの空間は色んな作家の絵や、
和風な家具などが一見ミスマッチかとも思えるものが
不思議と調和されていました。
それは「モダン」をキーワードに計算されているからでしょう。
自分のイメージカラーは何だろうとお思いの方は
一度相談されたらいかがでしょう。
自分がはっきりと見えてくるかもしれません。