少し変わった話の続きです。
青い目のハゲタカ投資家が持ち込んだ手法は、
海外では一般的な債権の回収方法だったのです。
ただし日本の金融機関は、シロウトでしたのですっかり買いたたかれて、
ハゲタカたちに資産を食い物にされました。
新生銀行などが有名です。
それでは、前回のすったもんだの後に、私たちは、
「とりあえず買いたいお客さんを捜してみようや。それからもう1回考えよう。」
ということになりました。
しかし、もう1つ条件が付いていました。
売り主は不動産業者ではなく投資ファンドなので、
現状のままの引き渡しで入居者や現状の説明はいっさいなし、
建物の図面はなし、土地の境界も未確認のままというものです。
つまり不動産業者に売却して、その業者に責任を持ってあらためて売却してください。
かわりにその費用分は安くしますよという事でした。
「ほんじゃあBにいうてみようか。」と
Aは友人の不動産業者Bに電話で、
今までのいきさつを説明しました。
やはり「わかったようのわからん話だね。」とBは答えた後に
「でもその話、本当なら買うよ。」というのです。
Bはこの物件に興味があり、あらまし事前調査が済んでいたのです。
と、話はトントン拍子に進みます。
さっそくAはちょっと緊張しながら、東京に電話です。
「この前の話、買いたい人がいますが、どうすればいいですか?」
すると「それでは持ち主に話をしましょう。」という返答です。
やはり売り主の承諾が要るのです。
Aは「売り主は関係ありますか?」と不安そうな声で聞き返しました。
「そりょあそうよ。あたりまえよ。」
この前聞いた話とは違う返事にAはとまどってしまいました。
「売り主が売らないということもありますよね。」と言う問いに、
不可解な返事が返ってきたのです。
「心配しなさんな、売り主が協力してくれなかったら
うちの関連会社が、競売で落札するから。」
あくまで6,000万円以上で落札して、4,000万円で売却してくれるというのです。
?????
その後の長〜いやりとりの結果、やっと仕組みが理解できました。
ちょっとややこしいので順序立てて説明します。
まず競売までの仕組みは、お金を借りたい人が所有者の了解のもとに、
不動産を担保にして金融機関等でお金を借ります。
担保にいれるということは、登記簿謄本の乙区に記入され、
一般に公開されことになります。
そのお金の返済が滞ると、担保にしていた不動産を競売にかけて、
債権者はお金を回収します。
競売で入札されたお金は、登記簿に記入された担保の順番に債権者へ返済されます。
今回の場合、債権者は1社で、債券額は数億円でした。
ハゲタカ投資家は、この数億円の債権を
債券額の数%〜10数%で買い取っていたのです。
後の新聞記事でわかりましたが、
その当時はどれくらいで買い取っていたかはわかりませんでした。
競売で回収できる債権額は、あくまで数億円の根抵当権のままです。
つまり入札金額がこの債券額までは、
すべて債権者である自社のファンドに配当されて戻るわけです。
いってこいです。
ハゲタカ投資家にとってあくまでこの物件の簿価は、
根抵当権価格の数%の買い取り価格です。
4,000万円で処分しても利益が十分出たのです。
これが不良債権処理に使われた、ハゲタカ投資家による債権回収ビジネスです。
ファンドというのは、アメリカで集められた投資資金です。
かなりの配当がされていましたが、日本からの投資はなかったようです。
余談ですが・・・LLCとついたファンドの関連会社の登記が物件ごとに設定されていました。
本社がケイマン島だったり米国本土でした。
日本にはまだ存在しない会社制度で、有限責任会社と訳されています。
日本でも取り入れるべく、法務省の会社法改正で検討されています。
パススルー税制や有限責任と言った制度を持った会社になるようです。
もう少し内容が決まれば、またお話しします。
しかし、やっとここまでたどり着きました。
大変でしたが、本当に勉強になりました。
その後の展開の中でさらにわかったことですが、
今回のようにたくさんの不動産の不良債権をひとまとめにして売ることをバルクセールといいます。
その中にはこのたびのように転売できる物件と、そうでない物件が混ざっています。
売却できない物件の債権は、さらに債権譲渡して回収会社に回します。
債権には、固定資産税はかかりません。
所有コストはあくまで所有者ですから、
債権を持っているハゲタカ投資かには負担がないということです。
しかし、時代の経過とともに、
日本の銀行や不動産会社が参入してファンドの買い取り競争が激しくなり、
最近は売買価格が上昇して、うまみがなくなりました。
当時は、ファンド関連の転売で、かなり安く家やアパートを買った人がいましたが、
先見の明がありましたね。
やはり多方面にアンテナを張って情報収集したり、勉強熱心でよく研究されていました。
さて、これからはどうなりますことやら。
それではまた勉強、勉強、研究、研究・・・・。
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倉田 洋志
(有)クラン・コーポレーション 代表取締役
広島工業大学建築学科卒業、ファイナンシャルプランナー、
不動産コン サルタント、として資産運用と節税、相続対策、
収益不動産の企画、運営、を中心に、宅地建物取引業者として
不動産売買の斡旋等の業務をしております。
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