建物賃貸借契約の解約申入れにともなうトラブル    [高谷 守亮]


≪ 建物賃貸借契約の解約申入れにともなうトラブル ≫

みなさん、こんにちは。社会保険労務士/行政書士の高谷と申します。
当職は、解雇などの労働問題を中心に業務展開しているのですが、
それ以外にも消費者トラブル等、
一般の皆様方にとって身近な法律問題をメインに活動しております。
(事務所についての詳細はこちら⇒http://plaza.rakuten.co.jp/takatani

さて、前回は不動産売買にかかるクーリング・オフについてお話いたしましたが、
この度は、夢のマイホームを購入し、
そのあと新居に移り住むにあたって起こりやすいトラブル・・・
すなわち、現在賃借しているマンション等の賃貸借契約の解約申し入れに
ともなう(家主に預けている)敷金返還請求権、
建物賃借契約にかかる原状回復義務についてお話したいと思います。




1. 敷金は退出時にどのくらい戻ってくるのか??

ポイント1:家賃の滞納や部屋の破損が全くなければ全額返って来るのが建前!

部屋を貸す大家さんの立場からすると、
入居者が毎月の家賃をきちんと納めてくれるかどうかには不安があるものです。
家賃ばかりではありません。入居者の不注意で備品などを壊された場合には、
その修理代を払ってもらう必要がありますが、
これが賃借人からすんなりと支払われるかどうかの不安もあります。
 

敷金とは、このような不安から、
大家さんが予め家賃の何ヵ月分かを預かっておくもので、
家賃の滞納や備品の破損があればそこから差し引きますし、
それらがなければ、(本来は)出て行くときに全額を返してくれるものです。
 

さらに、部屋を賃借する際には賃借人に対して、
賃料とは別にさまざまな名目で金銭の支払いを求められるのが通例ですが、
大まかに言えば、後日借主に戻すものと戻さないものがあり、
敷金の場合、原則として借主に返還される性質のものなのです。
 

また、退去時には、通常原状回復にかかった費用を差し引いて返金されるのが慣行ですが、
この場合の原状回復費用として大家さんが賃借人に対して請求できるのは一定の場合に限られます。
このことにつきましては、次の章で簡単明快に説明したいと思います。

※ 敷金返還請求権について、更に詳細に知りたい方はこちらまでお問い合わせください!
⇒ mail:takatani4610@r6.dion.ne.jp

2.退出時にフローリングの前面張替え等の費用を請求された!?

ポイント2:借主は、故意又は過失によって建物や備品に
      損害を与えた場合は賠償する義務を負う!

退出時にフローリングの全面張替え費用を請求された場合に、
賃借人はこれに対して支払う義務があるかどうかですが、
建物を賃借するにあたり、賃貸借契約書に「原状回復して明け渡す」と
記載してあることが通例で、仮にこのような規定がなくとも
原状回復しなければならないことが(先に述べた通り)原則となっています。

では、『原状回復』の詳細な定義はといいますと、これについては、
居住用建物に関する賃貸借契約に関しまして、旧建設省が次の通りガイドラインを示しています。

【 旧建設省の「原状回復」に関する定義ガイドライン 】
 「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、
賃借人の故意・過失、善良なる管理者の注意義務違反、
その他通常の使用を超える使用による消耗等を復旧すること」

つまり、壁を蹴破ったり、フローリングにネジをさした等に対しての
原状回復費用は賃借人負担とし、いわゆる自然消耗等の修繕費用は、
賃貸人の負担としています。ですから、このガイドラインは、
賃貸借契約書に記載されている「原状回復義務」は、
あくまで賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないということを
明確にしているものといえます。

そこで、上記のガイドラインからお分かりのとおり、
もしフローリング等を原状回復させるにあたって、
その汚損等が単に時間の経過と共に劣化したものだと考えられるとき、
つまり、普通に生活を送っていて単に古くなって劣化してしまった場合は、
その減価分については当然に家賃に含まれているものと考えるべきでしょう。
 

ポイント3:自分で業者に依頼して確認すべき!!!

したがいまして、フローリングの全面張替え、
その他壁紙の張替え費用を請求されたときは、
まずその汚損が自然経過的なものなのかどうかが(賃借人の)
負担すべき費用かどうかの判断の分かれ目となると考えられます。
 ですから、このようなケースが起きたときは、
やはり全面張替えが必要かどうかを自分で業者に依頼して確認し、
大家さんとの間で費用分担することを前提に話し合うことが無難であり、
賢い解決法だと思います。

※退去時の原状回復について、更に詳細に知りたい方、
 相談したい方はこちらまでお問い合わせください!
⇒ mail:takatani4610@r6.dion.ne.jp

高谷社会保険労務士事務所
社会保険労務士/行政書士
代 表  高 谷 守 亮