≪ 建物賃貸借契約の解約申入れにともなうトラブル ≫
※ 退室予告はしたけど、予定通りできないかも??
みなさん、こんにちは。社会保険労務士/行政書士の高谷と申します。
当職は、解雇などの労働問題を中心に業務展開しているのですが、
それ以外にも消費者トラブル等、一般の皆様方にとって身近な法律問題をメインに活動しております。
(事務所についての詳細はこちら⇒http://plaza.rakuten.co.jp/takatani)
さて、前回は賃貸家や賃貸マンションを退室するときの
「敷金トラブル」についてお話いたしましたが、
この度は、その続編として夢のマイホームを購入し、
そのあと新居に移り住むにあたって起こるかもしれないトラブル・・・
すなわち、「現在賃借しているマンション等を解約申し入れしたけれど、
予定通り退室できそうにない!?」についてお話したいと思います。
≪トラブルの内容≫
契約書どおり、マンション退室の1箇月前に不動産屋に退室連絡したのですが、
都合で実際に退室できるのが1箇月程度伸びてしまいました。
どうやら、家の部屋は次の入居者が決まっているようなので、
予定通り退室して欲しいと不動産屋から言われています。
『ポイント@:退室予定日は厳守しなければならない!!!』
結論から言えば、このケースのトラブルでは当初の予定通り退室しなければなりません。
というのは、賃借人が契約書の定めに従って退室の申し入れをした以上、
退室予定日をもって契約を終了させるとの合意が成立しているからです。
ところで、契約が終了しても退室せずに居座るという人は必ずいることでしょうね。
自分の都合だけで普通に考えれば、
『1・2日程度なら少々ずれ込んでも、大家さんは何にも言ってこないだろう!?』
なんて、思ってしまうかもしれません(笑)
でもそれでは、そのマンションに次の入居者が決まっているような場合、
次の入居者から・・・
「約束が違う!それじゃあ、その数日間は何処に住めばいいのか!?大家にも文句言ってやる!!」
なんて損害賠償請求されるかもしれませんし・・・・
さらに大家さんからも・・・
「次の入居者との間で建物賃貸借契約したのに、
それでは約束どおりの日から部屋をかすことができない。
新しい入居者からも慰謝料を含めて損害賠償請求されてるんだぞ!?」などと、
新しい入居者から請求された賠償金を含めてその損害を賠償するよう請求されるかもしれません。
ですから、現在の建物賃貸借契約書では、過怠約款として通常の賃料の倍額
あるいはそれ以上の違約金が定められているのです。
また、そのような「賃貸借契約終了後の居座り」などというような
重大な違反をしたとなると、自身の不動産会社の信用を失ってしまい、
今後の部屋探しに影響することにもなりかねませんので不利です。
結局、先のことを考えると、経済的も多少は大変かもしれませんが、
これまで話したことからもお分かりの通り、大家さんから損害賠償請求されるよりは、
多少割高でも小物をダンボール箱に詰める以外は全て引越屋に丸投げしたほうが
安上がりになることは間違いないでしょう。
また、場合によってはウィークリーマンションを借りるなどして、
次の入居者のためにも退室予定日には部屋をきれいに明け渡すことをお勧めします。
『ポイントA:退室予定日が遅れそうな場合は直ぐに大家に連絡!』
なお、退室が予定よりも遅れそうな場合は、直ぐに大家さんに連絡しましょう。
このようなトラブルケースのように次の入居者が決まっているという事情がなければ、
大家さんとの交渉しだいでは通常の家賃を支払う程度で、
しかも1箇月退室日を延長できるかもしれません。
退室が遅れる事が早めにわかっていれば、
大家さんのほうでも次の人の入居を遅らせるなどの対処が可能となるからです。
≪マメ知識≫
例えば、賃貸借契約書に・・・
『契約期間の中途において解約を申し入れる場合、
少なくとも1箇月以上の期間を設けて予告しなければならない』
と明記されているため、この記載どおりに1箇月前(5月31日)に退室予告をしたとします。
しかし実際には、予定日(6月30日)よりも3日程度退室が遅れたとします。
この場合の法律関係について話すと、解約の申し入れは、
いわゆる「契約解除の意思表示」であるため、
6月30日をもってその建物に関する賃貸借契約は解除されたことになります。
したがって、6月30日にその建物賃貸借契約は終了している事になるので、
これを超えて居座っているということは、法的に何らの根拠なく
「不法に占有している」ということになるのです。
(つまり「無権原者による占有」という状態)
ところで、民法709条においては、次の通り定めています。
●不法行為の要件と効果
「故意又は過失によりて他人の権利を侵害したる者は、
これによりて生じたる損害を賠償する責めに任ず」
前述の例では不法に他人の権利を侵害(何らの権原なく不法に他人の所有物を占有している)
しているので、大家さんに不法行為に基づく損害を賠償する義務が生じることになります。
また、大家さん側がその不法占有に対して何らかの精神的な苦痛を伴った場合には、
民法第710条(非財産的損害の賠償)の規定を根拠に、
不法占有者は慰謝料を支払わなければならないことになります。
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高谷社会保険労務士事務所
社会保険労務士/行政書士
代 表 高 谷 守 亮