まだ建てないで!欠陥住宅を防ぐ7つの防衛策 [若本 修治]


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    まだ建てないで!欠陥住宅を防ぐ7つの防衛策

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 こんにちは、『住まいづくり専門コンシェルジェ』の若本です。
 このミニセミナーでは、欠陥住宅を防ぐために施主が知っておきたいポイント
 を7つに分けてお知らせしています。

 まずは、これまでの復習をしてみます。

 ●第一の防衛策

    >> 設計段階から、第三者のチェックを入れましょう! << 

 ●第ニの防衛策

    >> 何ごとも基礎が大事!!
       建てる前に必ず地耐力検査を行ないましょう <<

 ●第三の防衛策

    >> アンカーボルトは基礎と土台を緊結する要です <<

 ●第四の防衛策

    >> 壁を塞ぐ前に、構造材の取付け強度を確認しましょう <<

 ●第五の防衛策

    >> 雨漏りのリスクは屋根形状でチェックしましょう <<

 今回は、住み心地に大きな影響を与える断熱の話です。

 日本で断熱材が意識され始めたのは、三十年くらい前のことです。
 昔の日本の家は、小舞を組んで土壁で仕上げていたため、
 壁自体に調湿機能や断熱機能がありました。

 だから、壁の中に「断熱材」という特殊な材料を
 わざわざ押し込んで家を建てるという習慣がなかったのです。

 そんな中、昭和四十年代に全国的に普及し始めたプレハブ住宅や
 海外から輸入された2×4工法など、新しい工法が増えていき、
 十分な断熱の知識が無いまま施工されていきました。

 その結果、壁の中が結露して柱や土台などの構造体が腐朽したり、
 床下が腐って抜け落ちたりという事故が相次ぎました。
 皆さんの実家でも経験があるでしょう・・・?

 私も増改築のフランチャイズチェーンにいたので、
 リフォームの現地調査で、随分と腐った床下を見てきました。 (>_<)

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   床下にナミダタケ?
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 日本の家屋は、夏の湿度と暑さを防ぐことを重視してきました。
 だから、断熱性能は長らくおざなりになっていたのです。
 しかし、北海道では冬の寒さをしのぐ住宅が求められました。

 地元の住宅会社や大学教授などが、
 冬型の住宅をつくるために、海外に視察旅行に出掛けました。
 その時、施工が容易で断熱性能も高い、2×4工法に出会いました。

  ※百年以上前に建築された札幌時計台も2×4工法ですが、
   一般の住宅で実際に建てられ始めたのは、わずか三十数年前です。

 そして分譲住宅として、2×4工法の家が数多く建てられていきました。
 日本列島改造論で、全国で建築ラッシュです。 (^o^)丿

 「この住宅は、隙間風が少なく冬は快適だ!」

 しかし、そんな満足感も数年で吹っ飛んでしまいました。
 ナミダタケと呼ばれるカビの一種が、構造材を覆っていったのです。
 北海道新聞でも紹介されているので、ご確認ください。
  ↓ ↓ ↓
 
Web 北海道新聞(ページの真ん中より下あたりです)
 http://www.iesu.co.jp/shinbun/15-7-5.htm

 原因は、中途半端な断熱材の施工と気密性でした。
 壁の中の断熱材が、十分に充填されておらず、
 その結果、壁の中に結露が生じて、ナミダタケが発生したのでした。

       ▽ ▼ ▽ 

 建物の中の話なので、一般消費者には分かりづらいかも知れません。
 ダウンジャケットや羽毛布団をイメージすれば少し理解できるでしょう。

 断熱性能は、乾燥した空気が最も熱を伝えにくいので、
 空気を多く含んで、なるべく空気が動かなくするのが効果的です。
 サッシのペアガラスも、二重ガラスの間に乾燥空気が入っていますね!

 羽毛も、水鳥の毛なので湿気に強く、
 繊維に包まれると多くの空気を含むことができます。

 羽毛が熱を伝えにくいのではなく『空気』が熱を伝えにくいのです。
 ふとんも、あんなに軽い羽毛布団が暖かいのは、空気のせいなのです。
 重さや厚みよりも、空気を含む量、空気が移動しないのが重要です。

 断熱のことは、少しはイメージがわきましたか?

 では、こんどは壁の中の湿気の問題です。
 湿気が結露となるので、もう一度イメージしてみましょう。

 ダウンジャケットも、体から出た汗を外に出し、
 外の冷たい風が隙間から入ってこないような構造ですね!
 通気性を良くして、蒸れないようにしているのです。

 では、私たちの普段の生活はどうでしょうか?
 やはり室内では、調理や人体など、多くの水蒸気が発生しています。
 そして、建物自体も湿気を吸収したり放出したりしています。

 壁内部に湿気がたまると蒸れた状態になります。
 そこに、部屋の外と内側で温度差が大きくなると・・・
 壁の中で結露し、構造材にいいとは誰も考えませんよね!?

 だから、建物の断熱も同様に、

 外からの雨や風が断熱材に入らないようにする
  (タイベックシートなどの防水透湿シートの施工)

 断熱材自身に隙間がないよう充填し、空気が動かない環境をつくる
  (発泡系の硬質系の断熱材なら施工技術に差がでない)

 室内の湿気が壁内部に入らないようにする
  (室内側に防湿シートを張り、壁内部の湿気は通気層を設けて逃がす)

 ということをしているのです。

 そして、室内で発生した水蒸気は、換気システムで排出します。
 平成15年より、住宅の機械換気が義務付けられたのは、
 シックハウス対策だけでなく、このような効果も見込まれるからです。

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    中気密・中断熱?
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 在来軸組工法を手掛けている工務店では、

 「高気密・高断熱なんかするから、問題が出るんだ!」
 「風通しの良い、多少隙間風があるくらいが日本の暮らしにはいいんだ!」

 と、中気密・中断熱がいいとするところが結構あります。
 特に、西日本では冬はヒーターを焚けば暖は取れるくらいの寒さです。

 しかし、住宅を構成する建材類はほとんど新建材に変わってきました。
 工業製品でできた、寸法が安定して湿気を吸わない材料です。

 昔のように、木材や左官材料など湿気を吸う素材と
 引き戸や木製建具を使った家であれば、
 壁の内部や床下の湿気もあまりこもることはありませんでした。

 湿気は湿度の高いところから低いところに流れていく性質があります。
 目に見えないほどの、空気に含まれた蒸気なので、
 壁の中でもどんどん流れ込んでいきます。

 アルミサッシや防水シート、構造用合板などでつくられた
 現代の木造軸組工法は、昔のように通気性の良い建物ではありません。

 その建物の壁内部に、断熱や防湿の対策が
 「ほどほど」にしか施工されないとしたら・・・ (-_-;)
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 この、『ほどほど』というのが中気密・中断熱の家という可能性が高く、
 壁の中や床下が結露で腐朽していくリスクも高まるのです。

 伝統的軸組工法で、無垢材や湿式工法(塗装や左官)で建てた家以外は、
 壁内で十分断熱し、湿気や結露対策が必要です。

 ◆第六の防衛策◆

    >> 壁体内で結露しないために、断熱と防湿が大切です <<

 ⇒ 断熱や気密は、部屋の中の環境だけの快適性ではありません。
   建物を長持ちさせるには、壁内部や床下環境も考えましょうね。

 ではまた来月お会いしましょう!

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【プロフィール】

  ダブルスネットワーク(株)
     代表取締役 若本 修治
     (中小企業診断士・インテリアコーディネーター)

山口県大島郡(周防大島)生まれ
福岡大学工学部建築学科卒業
店舗の企画・設計・施工の中堅企業『布谷 東京支社』に入社し、
バブル期の首都圏の個性的な店舗デザインを数多く手掛ける。
平成3年Jターンで広島に移住。
住宅リフォームの全国チェーン『ミスタービルド広島』のスーパー
バイザーとして、加盟工務店の指導・育成にあたる。
その後、積水ハウスで驚異的な営業実績を挙げて全国に名を轟かせ
た"カリスマコンサルタント"丸山景右氏の事務所で、おもに西日本
地区の工務店ネットワークをつくる。200社を超える工務店・住宅
会社を指導し、プロを見極める確かな目は定評!
平成13年独立。
現在『住宅CMサービス広島』のコンストラクションマネージャー
を務める。中小企業診断士およびインテリアコーディネーター
Aシティ(安佐南区)で妻と2人の子供に囲まれて暮らす。

 ●発行者の詳しいプロフィールはこちら
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  http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/profile.htm